かゆみって常時感じていることが多いですが、汗をかくことで頭皮のかゆみを強く感じてしまうことがあります。通常汗をかいただけであれば頭皮にそれほどかゆみを感じません。ではなぜかゆみを感じてしまうのでしょうか?

今回は汗をかくだけで頭皮がかゆくなってしまう理由とその対策方法について紹介します。

なぜ汗をかくことで頭皮がかゆくなってしまうの?

汗かくことでかゆみを強く感じてしまう理由は、頭皮が乾燥していることにあります。乾燥によって刺激を和らげる働きをしてくれる肌バリアが弱まることで、ちょっとした刺激にも敏感になってしまうのです。

さらに肌バリアの低下はさらなる乾燥を引き起こしやすくなります。それは肌バリアには角質層の角質を構成する天然保湿因子(NMF)やセラミドなどの細胞間脂質が持つ水分を保持する働きがあるからです。そのため肌バリアの低下は、角質内の水分を蒸発しやすくしてしまうのです。

これは干からびた地面のバリバリになった状態に似ています。水分が無くなってハリがなくなり、角質層がスカスカの状態です。当然頭皮の弾力もなくなるので、刺激も感じやすくなります。

また、バリア機能のひとつである皮脂膜は、肌を弱酸性に保つことで、雑菌の繁殖を抑制する働きもしています。そのため、肌バリアが弱くなることで雑菌が増えやすくなります。これもかゆみを引き起こします。

このように汗によってかゆみを感じやすくなるのは、乾燥によって肌バリアが弱まっているということなのです。

肌バリアの低下がさらなる頭皮トラブルのもとに

肌バリアの低下がさらなる頭皮トラブルのもとに
しかも肌バリアの低下は他の頭皮トラブルのもとにもなります。

例えば肌バリアの低下によって起こる頭皮の乾燥はフケを多くします。フケそのものは代謝であって悪くありませんが、多すぎるフケは頭皮に良くありません。雑菌の繁殖を加速させて頭皮の臭いを強くしますし、毛穴に詰まれば痒みを強くしたり、頭皮ニキビや炎症、抜け毛などの頭皮トラブルの原因にもなります。

しかも、かゆいからといって強く掻くと、頭皮が傷ついて炎症や赤みなどの症状が広がって治りが遅くなります。

頭皮の乾燥を引き起こすおもな原因

汗をかくことでかゆみを感じやすくなるのは肌バリアの低下による頭皮の乾燥が原因でした。では、今度はその乾燥を引き起こすおもな原因はなんでしょうか?

以下の5つが頭皮を乾燥させるおもな原因と言えます。

  • ターンオーバーの乱れ
  • 冷房・暖房の長時間利用による空気の乾燥
  • 紫外線による影響
  • 加齢による皮脂量の不足
  • 洗い過ぎによる皮脂量の不足

ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーは、一定の周期で肌が古いものから新しいものへと生まれ変わる皮膚の新陳代謝です。頭皮はこのターンオーバーによって古い皮膚はなくなり、新しい皮膚に生まれ変わることで健康に保たれています。

ターンオーバーの周期は遅くても早くてもいけませんが、乾燥の場合はこの周期が早くなっている状態です。周期が早くなると、誕生したばかりの細胞が早く角質になってしまいます。つまり、未成熟なまま角質になるということです。このような角質は、傷つきやすく、水分保持機能やバリア機能が弱くなります。その結果、頭皮が乾燥しやすくなってしまうのです。

ターンオーバーの乱れは、ストレスや生活習慣の乱れなどによって起こります。

冷房・暖房の長時間利用による空気の乾燥

冷房・暖房などのエアコンは室内の空気を室内機で取り込み、冷やしたり温めてから部屋に戻しています。その過程で空気中の水分を抜き取っています。そのため、エアコンを長時間使うと、空気中の水分が徐々に奪われていきます。その結果、部屋が乾燥してしまうのです。そして空気の乾燥は頭皮の乾燥を招きます。

紫外線による影響

紫外線を浴びると、頭皮が乾燥しやすくなります。東京工科大学応用生物学部の正木仁(まさきひとし)教授らの研究チームによる報告によると、肌に紫外線を当てることで活性酸素が増加し、角層細胞内タンパクが変異することで皮膚の乾燥を誘導するのです。

このように紫外線は老化の印象がありますが、乾燥にも影響しているんです。

加齢による皮脂量の不足

皮脂は角質表面のバリア機能である皮脂膜を形成するために欠かせない存在です。皮脂膜は肌を覆うようにして守っているのですが、皮脂が十分になければこの皮脂膜をうまく形成できません。皮脂量は加齢によって不足します。特に35歳過ぎた辺りから急激に低下すると言われています。

洗い過ぎによる皮脂量の不足

皮脂は臭いなどの原因になることから悪いイメージを持つ方は多いと思いますが、適度になければいけない存在です。それは角質表面の肌バリア機能である皮脂膜の形成に欠かせないからです。そのため、洗浄力が強すぎるシャンプーの使用や洗い過ぎによって頭皮にある皮脂を根こそぎ取り除くことは、頭皮を乾燥させます。

対策方法

エアコンによる乾燥対策をする

  • 加湿器の使用
  • 洗濯物の部屋干し
  • 観葉植物を置く
  • 洗面器に水を入れて置いておく

長時間エアコンを使うときは、空気の乾燥を防ぐために上記のような対策をしましょう。

特に空気が乾燥する季節はただでさえ頭皮は乾燥しやすいですからね。中でも加湿器は直接水蒸気を出すので一番効果があります。

睡眠はしっかりととる

睡眠不足は美肌の大敵と言われていますが、それは頭皮でも同じこと。起きている間に受けた細胞への様々なダメージを最も修復してくれるのが睡眠時なのです。なので日中に受ける頭皮を乾燥させる紫外線やストレスなどからのダメージを蓄積しないためにも、できる限り睡眠不足は避けましょう。

頭皮にやさしいシャンプーを使う

洗浄力が程よいアミノ酸系界面活性剤を使ったシャンプーであれば、頭皮にやさしく適度に洗うことができます。そこれほど皮脂量が多くなければアミノ酸系界面活性剤がベースになったシャンプーを選ぶといいでしょう。また、乾燥していると刺激にも敏感になるので、できるだけ低刺激のシャンプーを選びましょう。植物の力を使ったボタニカルシャンプーであれば、頭皮にやさしいシャンプーが多い傾向にあるのでおすすめです。

中でも乾燥による痒みには抗炎症作用があるグリチルリチン酸2kと保湿成分をふんだんに使ったシャンプーがおすすめです。

正しい洗い方を実践する

正しい洗い方を実践することも大切です。痒いからといって強く擦ったり、爪でかいたりしては頭皮を傷つけてしまいます。いくらいいシャンプーを使っていてもこれでは意味がありません。特に頭皮が乾燥している場合はやさしくマッサージするように洗いましょう。

正しいシャンプーのポイント
  • 基本的に2度洗い(頭皮の状況によって1度だけでもOK!)
  • とにかくすすぎに時間を掛ける
  • 指の腹で頭皮をマッサージするように洗う

入浴前後に頭皮を保湿する

最近は乾燥を防ぐために保湿成分を使ったシャンプーが多くなってきていますが、洗髪後はどうしても頭皮は乾燥しがちです。そんなときはシャンプー前後に植物オイルや頭皮用ローションを使うといいでしょう。

シャンプー前にアルガンオイルや椿油などの植物オイルを使って頭皮マッサージをすれば、皮脂の汚れを浮き上がらせることができます。さらに植物オイルの中にはエモリエント作用があるものが多いので、乾燥した頭皮のケアに最適です。

また、入浴後に植物オイルや頭皮用ローションを使えば乾燥を防ぐことにも役立ちます。

まとめ

汗の分泌直後に頭皮が痒くなってしまうのは、乾燥が原因です。乾燥によって頭皮が過敏になってしまっているのです。そのため、頭皮の乾燥を防ぐ要因を避け、潤いを与えてあげることが対策になります。

特に頭皮の乾燥は洗いすぎによる影響が大きいと言えます。頭皮を傷めないように気をつけましょう。

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